こんにちは。不動産コンサルタントの兒嶋です。
中古マンションの購入では将来の資産価値が気になりますよね。将来売りにくいマンションや価格が大幅に下がるマンションは避けたいところです。
わたしは、これからの中古マンションの資産価値を左右するのは『管理の質』だと考えています。外観が綺麗に保たれ、バリアフリーの整備や最新設備の設置(最近では宅配ボックス)などの魅力を高める改修がほどこされ、防災訓練や料理教室などのコミュニティが育まれる活動をしているような中古マンションが、買主には魅力的で資産価値の維持・向上につながるのは間違いないでしょう。
管理の質が高い=大手の管理会社ではありません。管理の質が高い=管理組合が積極的に管理に関わっているということです。これはネットやチラシをみるだけでは判断できません。管理組合の姿勢をみることができる書類を確認することが必要です。
契約前には、少なくとも以下の書類を確認しましょう。
・重要事項にかかる調査報告書
・長期修繕計画
・総会議案書、議事録
重要事項にかかる調査報告書
中古マンションの基本的な情報を把握するために、仲介会社が管理会社に依頼して取得する書類です。専有部分の修繕積立金や管理費の金額、滞納の有無、リフォームの制約やペット飼育の可否などについて記載されています。この書類で基本的な情報を把握しましょう。
長期修繕計画
25年の長期期間に必要になる修繕費とその累計、修繕積立金の累計が記載されています。この書類でどれだけ修繕積立金が不足するか把握しましょう。適切な修繕のために必要な修繕積立金の金額が記載されている場合もあります。その場合は、現在の修繕積立金と必要な修繕積立金を照らし合わせて、修繕積立金の改定を実行できているか確認しましょう。なお、国土交通省は「5年程度ごとに見直すことが必要」としていますので、作成年度が5年以内か確認することも必要です。
総会議案書・議事録
一年に一度開催される総会では、予算や管理会社との委託契約のほか、管理組合の抱えている課題と対処方法、大規模修繕工事の実施や修繕積立金の値上げなど、マンションの方針を議論し決定しています。総会の議案書と議事録で、管理組合のリアルな現状を確認しましょう。
いかがでしょうか?
書類はご自身で集める必要はありません。仲介会社に頼んで集めてもらえば大丈夫です。将来の資産価値を維持できるかどうか左右する『管理の質』は、契約までにかならずチェックするようにしましょう。
いつもありがとうございます。
都心部で中古マンションをさがしていると仮に50戸のマンションに家主が実際に住んでいるの二戸で残り48戸が賃貸されているケースがあります。このようなマンションは極端かもしれませんが、賃貸しオーナーが別の場所に住んでいるマンションも多いのがわかりました。このようなマンションを購入した場合おこりやすいトラブル例などありますか?
タムタムさま
仲介エージェントの兒嶋です。ご質問ありがとうございます。
賃貸割合が大きいことで直接的にトラブルに発展することはないでしょう。ただし、実際に居住していない方は、管理に対して意識が希薄になりやすい傾向があります。適切な管理がなされないことで、修繕積立金の不足、管理費等の滞納、住居以外での利用が黙認される(民泊利用など)、等のトラブルが起きるリスクが高くなるでしょう。勿論、すべてに当てはまるわけでもなければ、賃貸割合が低くても管理意識が低いマンションもあるので一概には言えませんが、購入前に管理の状態はより深く確認するべきでしょう。
注意点ありがとございました!最近の民泊問題もありましたね。管理状況の確認点とさせていただきます!