「ここにいても、未来が見えない …」
——まずは、これまでのキャリアについて教えてください。
大手の不動産仲介会社で11年ほど働いていました。営業としての経験も一通り積ませてもらって、環境としてはかなり安定していたと思いますし、いわゆる“王道のキャリア”ではあったと思います。
ただ、その中でずっと、どこかに引っかかる感覚があって。「このままでいいのかな」という違和感は、働き始めてしばらくしてから、ずっと持ち続けていました。
——その違和感は、どんなところから来ていたのでしょうか?
やっぱり一番大きかったのは、評価が完全に数字中心だったことですね。組織としてもトップダウンの色が強くて、極端に言えば「人格は見ない、数字だけを見る」というような文化でした。
もちろん、営業会社としては合理的だと思いますし、それ自体を否定するつもりはないんですが、その環境の中で長く働き続ける自分の姿が、どうしても想像できなかったんです。
——キャリアアップについても、あまり魅力を感じなかった?
そうですね。所長や部長といったポジションに上がること自体に、正直あまり惹かれなかったんです。
上に行くことが目的になってしまっているような感覚があって、自分の中ではそこに納得感が持てなかった、というのが大きいと思います。
コロナ禍で深まった内省と、「個の時代」への共感
——転職を考え始めたきっかけは何だったのでしょうか?
コロナ禍で、一度立ち止まる時間ができたことが大きかったですね。
それまで忙しさの中で流していたことも含めて、「このままでいいのか」と改めて考えるようになりました。
ちょうどその頃、さくら事務所グループの当時の会長である長嶋さんの発信を継続的に見ていて らくだ不動産の発信を継続的に見ていて、「これからは組織ではなく個の時代になる」とか、「透明性が求められる時代になる」といった考え方に触れる機会が増えていったんです。
そうした言葉が、自分の中にあった違和感を、少しずつ言語化してくれたような感覚がありました。
——安心よりも、違和感のほうが勝っていった?
まさにそうですね。大手にいることで得られる安心感はもちろんあったんですが、それ以上に「このままここに居続けていいのか」という感覚のほうが、どんどん強くなっていきました。
「この環境なら、自分で変えられる」と思えた理由
——らくだ不動産への転職を決めた理由は何だったのでしょうか?
正直に言うと、「この会社に入ればこうなれる」というような明確な期待があったわけではないんです。
それよりも、「この環境であれば、自分で何かを変えていけるかもしれない」という感覚のほうが大きかったですね。
組織に乗るというよりも、組織をつくっていく側として関われるんじゃないか、というイメージが持てました。
——入社後のギャップはありましたか?
ほとんどなかったです。ベンチャーで未成熟な部分があることも理解していましたし、そもそも会社に依存するつもりで入ったわけではなかったので、違和感は感じませんでした。
むしろ、「想像していた通りの環境だな」と思いましたね。
「営業している感覚がない」
——実際に働いてみて、一番変わったと感じたことは何ですか?
営業の感覚が大きく変わりましたね。というよりも、営業している感覚がほとんどないんです。
——それはどういう意味でしょうか?
いわゆる“売り込む”とか、“クロージングする”といった意識がほとんどなくて、ただ目の前のお客様にとって何がベストなのかを考えて、それをそのまま本音で伝えているだけなんです。
良いものは良いと言いますし、違うと思えば違うと言う。場合によっては、「今回はやめた方がいいと思います」とお伝えすることもあります。
——それで成果につながるのは、興味深いですね。
はい。むしろ、その正直さがあるからこそ信頼していただけるんだと思います。
一見するとすごくシンプルなんですが、その分ごまかしが効かないので、実際にやろうとすると難しい部分も多いですね。
「選ばれる側になる」ために変えたこと
——その中で、成果を出すために意識していたことはありますか?
一番は、「選ばれる側になる」という意識でした。
大手のように会社のブランドで選ばれるわけではないので、個人として信頼していただく必要があります。
——具体的にはどんな取り組みを?
まずは発信の質ですね。お客様はある程度情報を持った状態で問い合わせてくださるので、「なぜそうなるのか」まで説明できないと意味がないと思っていて、そのために自分自身かなり勉強しました。
あとは、初回の接点をすごく大事にしています。
そこでサービスの考え方やスタンスをしっかりお伝えして、“腹落ち”していただけるかどうかが、その後の関係性に大きく影響するので。
らくだ不動産の働き方
——らくだ不動産の働き方の特徴はどこにあると感じますか?
やはり、「売らない」という選択ができることだと思います。
ノルマがなく、片手取引が基本なので、会社都合で判断を歪める必要がありません。
その分、本当にお客様にとってベストな提案ができる環境だと思います。
——ご依頼者との関係性にも変化はありましたか?
かなり変わりましたね。
以前は、取引が終われば関係も終わり、というのが当たり前だったんですが、今はその後も相談が続いたり、改めて感謝の言葉をいただくことが多いです。
関係の“深さ”がまったく違うと感じています。
——仕事の意味も変わりそうですね。
そうですね。単なる売買ではなくて、「関係を築く仕事」になったという感覚があります。
——他にも特徴的な点はありますか?
個人プレーではなく、チームで価値をつくるところですね。
建物や管理などの専門知識も含めて、グループ内で連携しながら提案ができるので、一人で完結するというよりも、全体で最適解を出していく感覚があります。
——組織文化についてはどう感じていますか?
すごくフラットだと思います。
誰かがミスをしたときも、その人を責めるのではなくて、「なぜ起きたのか」「どうすれば防げるのか」をみんなで考える文化があります。
過去を責めるのではなく、これからどうするかにフォーカスしている点が、この会社の強みだと思います。
「ここで働く自分が、かっこいいか」
——約2年で役員に就任されましたが、どのように受け止めていますか?
正直、役職が上がったという実感はあまりなくて、「求められる役割が増えた」という感覚のほうが近いですね。
——今後、意識していきたいことは何でしょうか?
現場感覚を持ち続けることです。
これからAI化が進んでいく中でも、最後に価値が残るのは“現場の解像度”だと思っているので、そこを大事にしながら、組織全体にも還元していきたいと考えています。
——役員という立場から見て、らくだ不動産で活躍できる人の特徴はなんだと思いますか?
1つは「俯瞰して見られること」だと思います。
自分ではお客様のためと思っていても、実はそうなっていないこともあるので、それを一歩引いて見られるかどうかは大きいですね。
あとは、やっぱり挑戦し続けられる人。
止まらずにアクセルを踏み続けられる人は、活躍している印象があります。
——最後に、これから仲間になる方へメッセージをお願いします。
よく「働きやすい会社」と言われることもあるんですが、らくだ不動産の良さって、それだけではないと思っています。
もちろん働きやすさも大事なんですが、それ以上に「ここで働く自分がかっこいいと思える」というところが大きいんじゃないかなと。
既存の業界に違和感を持っている人や、もっと本質的な仕事がしたいと思っている人にとっては、すごく面白い環境だと思います。
大変なこともありますが、その分得られるものも大きいです。
「営業している感覚がない」という言葉の背景には、売ることを目的としない、新しい仕事観がありました。
転職からわずか2年での役員就任。
その理由は特別な手法ではなく、「どう働くか」を問い続けた姿勢そのものにあったのかもしれません。
