やみくもに内見を重ねてしまっている方、印象や直感だけで購入して引き渡し後に後悔してしまっている方は珍しくありません。こういった方々のお話を聞いていると、条件整理を適切に行えていない場合に、このようなことが起きやすいと感じます。
物件探しを始める前に、雑誌やネットで情報収集して条件(何を買うか)を決めている方は少なくないでしょう。
しかし、不動産の購入で大切なのは「何を買うか」よりも「どう探すか」だと考えています。理想の不動産に出会うまでの、探す“プロセス”が大切だという意味です。具体的に言うと、「実際の不動産を内見していく過程で条件の優先順位をつけ、自分が本当に望んでいる条件を見つけること」が大切です。
目次
条件の良い不動産は、価格が高いという真理
不動産の条件と相場価格は密接に関係しています。条件の良い不動産ほど、価格は高くなります(当たり前のことですが)。
相場価格に及ぼす影響が、特に強いのは以下の要素です。
- 最寄り駅の力
- 駅からの距離
- 築年数
- 広さ
- 所在階※マンションの場合
- 主要開口部の向き※マンションの場合
- 分譲時の売主※マンションの場合
- 接道条件※戸建ての場合
「賑わいのある駅から5分以内で、眺望の良い高層階で、築10年以内、広さは80㎡は欲しい!」など、すべての希望条件を叶えられれば望ましいのですが、予算をオーバーしてしまう方がほとんどでしょう。価格と予算があわないときは、条件を妥協して相場価格を下げ、予算内におさまる不動産を探すのが賢明です。
決してやってはいけないのが、「いつか割安な物件が出てくるだろう」と根拠なく待ち続けることです。
割安なお買い得物件は存在しない
割安なお買い得物件が売りに出されることは、不動産市場ではほとんどありません。新築の売主はプロである不動産会社がほとんどで、中古の売主は多くが個人です。個人の売主は、不動産会社の査定を参考にしながら価格を決めて売り出すのですが、多くの売主が相場より高めに売り出します。
当然ながら相場より高い価格で売却することはハードルが高いので、徐々に値下げされて価格が相場に近付いていきます。皆さまがネットでみつける割安に思える不動産は、改定されて相場に近付いているだけか、たまたま最初から相場相当で売り出されているだけです。(本当に相場より安い場合、必ず何か理由があるので注意しなければいけません。)
実際の事例を紹介します。世田谷区のある中古マンションが売り出されましたが、売れないので価格改定され、その後に成約した事例です。
- 2018年7月 売出
⇒6,980万円(売出価格) - 2018年11月 価格改定
⇒6,780万円 - 2019年1月 成約
⇒6,650万円(成約価格)
価格改定を経て、最初の価格から約300万円も値下がりして成約しています。この不動産の価格相場は6,500万円~(高くても)6,800万円程度で、6,980万円での売り出しは相場より大幅に高い価格といえるでしょう。
このように、相場より高い価格で売り出される不動産は、価格改定されて相場価格に近付き、結果的に相場相当で成約するケースがほとんどです。
条件を変更して相場価格を下げましょう
条件と相場価格の関係は立地ごとに異なります。例えば、川崎駅周辺の中古マンション価格は、以下のような傾向で相場価格が決定するようです。※実際の成約事例をもとに回帰分析で算出しました。
- 駅から1分離れると、単価が26,000円/㎡上昇
- 所在階が1階上がると、単価が8,000円/㎡上昇
- 築年数が1年古いと、単価が13,000円/㎡上昇
- 非大手ブランドの分譲だと、単価が24,000円/㎡下落
希望条件を満たす不動産が予算を大きく超えるようなら、駅から離したり、もっと築古にしたりして、相場価格を下げる必要があります。川崎駅よりも相場価格が低い駅に変更するのも有効です(例えば、鶴見駅)。
一般の方は成約価格を調べられない
条件と相場価格の関係を把握するには、実際の成約価格を調べることが必要です。しかし、一般の方は成約価格を調べることが難しいのが実情です。
不動産会社は、レインズというサイトを使えば実際の成約事例を入手することができます。レインズは不動産会社だけが使えるシステムで一般の方は使用できないため、実際の成約事例を入手できないのです。
らくだ不動産は条件整理からサポート
らくだ不動産は、実際の成約事例をもとに価格相場を分析し、条件整理をサポートさせていただきます。
らくだ不動産に仲介をご依頼いただければ、わずらわしい営業を受けることなく、適切に条件整理を進められ、効率的に物件探しを進めることが可能になります。まずは、お気軽にご相談ください。