山本 直彌
副社長執行役員
保有資格:宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/マンション管理士/管理業務主任者/マンション維持修繕技術者
大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年。マンション管理フロント業務として50棟以上(5,000戸以上)の管理業務実務、不動産仲介取引件数は累計500組以上。
こんにちは!らくだ不動産の山本です。
皆さんは、不動産取引におけるエージェントの重要性をご存じですか?
日本では通常、不動産会社が仲介業務を行いますが、海外では広く普及している不動産エージェントの概念は、日本では比較的新しいものとされています。
らくだ不動産でも導入しており、業界の新様式である「不動産エージェント」が、従来の不動産会社とどのように異なるのか?
そして業界の商習慣に基づく利用メリットは具体的に何があるのか?
徹底解説いたします。
まず、日本の不動産仲介業界では「両手取引」が一つの顕著な問題点とされています。この「両手取引」は、一人の仲介者が売主と買主の両方を代表し、両方から手数料を得る取引のことを指します。
この問題は、業界が「手数料ビジネス」に基づいていることに根ざしています。多数の企業が自社利益を追求する過程で、自社のネットワーク内のみで両手取引を行うことが一般的です。これにより、取引情報が限定され、理想的な売り手や買い手を見つけるのが困難になります。
このような状況では、「仲介者はどちらの利益を優先しているのか」という疑問が生じやすく、重要な交渉の場面で仲介者の主張が弱まることもしばしばあり、不動産取引の透明性と効率性を損われる大きな要因となっています。
この両手取引という商習慣が生み出すのが、「買主優先」の傾向です。多くの不動産会社が、買主との媒介(仲介)契約を売買と同時のタイミングで締結しますので、契約関係のない買主の意向を優先的に対応することで、取引をスムーズに進めようとしています。
このアプローチは、買主の条件に柔軟に応じ、迅速な成約を目指す一方で、しばしば売主の利益が二の次になることがあります。不動産会社が買主を優先することで、取引の早期成立を図ることは市場の流動性を保つ上で重要ですが、それによって売主の最適な利益が見過ごされる場合もあるのです。
このような市場の動きは、不動産取引の特性上、避けがたい側面があります。売主と買主の間には、情報の非対称性や利害の対立が存在し、これが取引の複雑さを生んでいます。結果として、不動産会社は市場の要求に応えつつも、時には売主の利益を完全に代表することが難しくなるのです。この状況は、不動産取引におけるバランスの取り方と、不動産会社の役割に関する継続的な議論を必要としています。
不動産エージェントは、不動産取引の不透明性や利益重視の姿勢に挑む業界における新様式です。従来は、商習慣上ご依頼者様の利益よりも不動産会社側の利益が優先されるのが一般的でしたが、エージェント制では、まずはご依頼者様は「相性の良いエージェント選び」からはじめます。二人三脚で売買活動を展開、業界の商習慣にとらわれることなく、適正価格での売買活動を目指します。
両手取引においては、例えば売却の場合、提案が限定的になることがありますが、不動産エージェント制度では、売主の利益を最優先し、一緒に物件の適正価値を見極め、最適な売却戦略を立てることができます。
例えば売却において、築古で「価値がない」とされた物件も、徹底的な周辺調査とヒアリングにより、その本来の価値を明らかにしたり、「売買が前提」とされる従来の不動産取引において、時には売買の見送りを提案するなど、その多様なアプローチはエージェント制の強みであり、ご依頼者様の最大利益の追求が目的です。
このアプローチは、転職エージェントに似ており、個々のニーズに合わせたカスタマイズされたサービスを提供します。エージェントと協力することで、買主は自分のニーズに合った理想的な物件売買を実現することができるのです。買主は、エージェントと二人三脚で、自身の理想に適った物件を見つけることが可能になり、より良い不動産取引の経験を得ることができます。
アメリカでは不動産エージェントの利用が一般的であり、売主の利益を最大化するための手法として広く受け入れられており、日本で習慣化している「両手取引」はアメリカでは禁止されています。一つの取引に対して、売主と買主、それぞれで別のエージェントがつくのが常識です。
これは日本に比べアメリカが中古住宅市場が活発であり、エージェントはこの活発な市場において重要な役割を果たしてきた歴史があるためです。不動産エージェントはかなり市場から信頼されていて、まさにプロフェッショナルという立ち位置とされています。
両手取引を行わないエージェント制では、限定的ではない、より広範囲のネットワークでの取引が可能になります。また、他の会社も含めた広告出稿も積極的に利用することで、物件の露出が増え、より多くの潜在的な買主に物件を紹介することで、適切な買主を見つけやすくなります。
不動産エージェントは、市場分析と専門知識を駆使し物件の適正価格を見極めます。そして、より多くの潜在顧客にアプローチすることで、相場を上回る売却価格を実現し、ご依頼者様の利益を最大化する戦略を提供します。
広範囲の買主ネットワークと柔軟な売却手法により、両手取引を行う不動産会社よりも早期売却を実現します。これにより、ご依頼者様は時間的なストレスから解放されます。
物件の査定額は常に、競合物件の状況などに影響されます。市場の変動に応じて定期的に戦略を見直し、レインズなどの業界データベースで問い合わせ数を追跡することで、適切な売却戦略を立てられます。活動を可視化することにより、ご依頼者様も売却額に納得できる結果を得ることが可能です。
不動産仲介業は手数料ビジネスのため、「売却ありき」で売買取引を進める傾向があります。通常は、売主と媒介契約を結び、図面作成、広告、レインズ登録という決まった流れに従いますが、これは売主のニーズに必ずしも寄り添わない商習慣です。一方で、不動産エージェントは必要に応じて売却を見送る選択も提示することが特徴です。ご依頼者様の個々の状況に合わせた適切なアドバイスを提供し、最良の売却タイミングを見極めることで、ご依頼者様の利益を最大化する選択を可能にします。
エージェントは市場の深い知識と専門的な分析を活用し、物件の価値を正確に評価します。これにより、ご依頼者様は適正な価格で物件を購入できる安心感を得られます。さらに、エージェントは価格交渉においてもご依頼者様の利益を代表し、適切な価格での取引成立を目指します。公正かつ透明な取引が保証されることで、ご依頼者様は納得のいく不動産購入を行うことが可能になります。
エージェントを利用する最大のメリットは、物件の”メリットだけでなくリスク”も正確に把握できることです。エージェントはご依頼者様の利益を守るため、物件の隠された欠点や将来的なリスクも含めて全面的に分析し、それらの改善点も含めた正確な情報を提供します。また、売主側のエージェントは透明性を保ち、物件の潜在的なデメリットも率直に提示することがあります。
ご依頼者様の購入条件を的確に理解し、それに最適な物件を見つける手助けをします。彼らの専門知識と経験により、ご依頼者様の理想とする住宅を明確にし、市場内での最良の選択肢を提供することができます。これにより、購入プロセスがスムーズに進み、時間と労力が大幅に節約されます。
らくだ不動産がエージェント制を採用したのは、不動産業界の不透明性と利益優先の姿勢に対する回答としてです。不動産業界の既存の慣習では、ご依頼者様の利益がしばしば無視されてきました。この問題を解決するため、らくだ不動産はご依頼者様の利益を最大化することに特化したエージェント制を導入し、ご依頼者様との信頼関係を構築しながらそれぞれのニーズに合わせたサービスを提供することを目的としています。エージェント制の導入により、後悔のない売買活動を実現できるようになりました。
≪らくだ不動産では、公式YouTubeチャンネルを開設し、倫理性・専門性・個性を持ったエージェントが、包み隠さず不動産売買の話を語っております。≫
≪また、より早く、そして、幅広く情報を発信するため、X(旧Twitter)でも新着情報をお届けしていますので、是非ご覧ください。≫
らくだ不動産には、多様なバックグラウンドと専門知識を持つエージェントが所属しています。これにより、ご依頼者様の多様なニーズに応えることが可能になっています。各エージェントは、不動産取引の各局面でご依頼者様をサポートし、適正価値を引き出すための専門的な知識と経験を活用しています。さらに、らくだ不動産のエージェントは売買時期や戦略についてご依頼者様と緊密に協力することで、最適な結果を実現します。これらのエージェントは、「情報のスペシャリスト」、「常識破りの知性派」、「徹底した現場主義」といった特徴を持ち、それぞれに強みを持つことで成功ストーリーを数多く生み出しています。
エージェントが売主または買主の一方だけを味方し、その利益を最優先に考えます。売却の際は最良条件での売却を目指し、購入の際は理想の物件に巡り合い、購入するまでをサポートいたします。
公平性・透明性を持って正直な気持ちで接することは、クライアントとの信頼を築き、より良い取引結果を生み出すための鍵です。私たちはこの原則に基づき、一貫してご依頼者様の利益を追求します。
ご依頼者様との情報格差を解消し、ご不安なく公正な取引を実現するため、グループ会社である「さくら事務所」の専門家リソースを最大限に活用。
建築士、マンション管理士、さらに地盤や災害リスクの専門家など、幅広い分野のプロがチームを組み、不動産売買に関連する、メンテナンス・修繕費、災害対策、住み替えに関することなど、取引前後のあらゆるご不安をサポートいたします。
取引成功のために最も重要なことは、家族・親友のように、本音で話せる「エージェント」を選ぶことだと考えます。
必要以上に気をつかい、本来本音で話し合うべき内容が共有できていない場合、例えエージェント制を採用している会社に依頼しても、理想的な取引は難しいでしょう。「まずは、物件選び」からではなく、「まずは、エージェント選び」から始めることを、らくだ不動産は推奨いたします。
副社長執行役員
保有資格:宅地建物取引士/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/マンション管理士/管理業務主任者/マンション維持修繕技術者
大手マンション管理会社での業務経験6年、大手不動産仲介会社での業務経験9年、その他PM・BMマネジメント経験3年。マンション管理フロント業務として50棟以上(5,000戸以上)の管理業務実務、不動産仲介取引件数は累計500組以上。
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